ファーマキャリアインタビュー

ヤクジョブインタビュー
佐野(以下略) 薬剤師さんの転職のマーケットについてお聞きしたいと思います。 転職される薬剤師さんがいらっしゃる中で、年齢層も幅広いと思うのですが、年齢は転職に影響するのでしょうか?。
転職に有利な年齢や最近のトレンドとは?
薬剤師の転職マーケット
ファーマキャリアインタビュー 小林氏(以下継承略):単純な求人数ということだけで考えると、経験数年の20代中盤から後半くらいの方が一番有利ではあります。 しかし、薬剤師さんの場合は、薬局が募集を出しているからといって無条件に応募することはあまりなく、 年収や休日等の就業条件がその方の希望にマッチしてはじめて応募が決まり、転職活動がはじまります。 以上のことから考えると、30代後半から40代中盤までのある程度の経験やスキルのある方が一番有利だと言えます。 私たちコンサルタントとしても、スキル面や体力面等、アピールポイントとなる部分が多いため、交渉しやすい年代です。
-スキルや仕事内容も熟知されている、30代後半から40代中盤の方が、一番ニーズが高い層というわけですね。
小林:そうですね。これは薬局の体制も影響していると思います。 薬局は待遇に関しては横並び意識が強い会社が多いので、いくらスキルが高かったとしても、極端に変わった待遇はできない場合が多くあります。 そのため、ある程度仕事ができるようになった30代後半~40代中盤の薬剤師さんは、スキルに応じて年収が出る会社に転職したり、職種を変えることで年収アップを狙ったりするわけです。
-今、30代40代というところが出てきたんですけど、例えば50代60代の薬剤師の方は割合的にどれくらいなのでしょうか。その年齢の方が再就職、転職する場合に、アピールした方がいい部分がありましたら教えてください。
50代60代の薬剤師の方の転職・再就職
小林:地域だったりその方のご経歴に左右はされますが、年齢はそれほど大きなネックにはなりません。 もちろん20代の方と比較した場合、求人数の違いはありますが、50代60代だからといってまったく募集がない、あったとしても条件が悪くなるというようなことはございません。実際に弊社の成約実績としても、60代70代になると多少減りますが それ以外の層で極端な偏りはないです。
基本的に調剤薬局に関しては、50代だから待遇を悪くする、給料を下げるということをしている会社はそう多くありません。正社員として雇用することはもちろん年齢や経験に応じて待遇を少し上げる会社の方がスタンダードです。
-50代、60代となると経験が若者より豊かであるというメリットがありますよね。調剤薬局のお仕事は接客業でもあると思いますので、例えばコミュニケーション能力に関しては50代60代の薬剤師さんの方が、スキルも高いのではないかと思うのですが、コミュニケーション能力の点で有利となるようなことはありますか?
小林:コミュニケーション能力が高いか低いかは人それぞれなので、何とも言えませんが、仮に経験数に比例してコミュニケーション能力も構築されていったような方であったとしても、調剤薬局の場合は経験値をものすごく重視するということはそんなに多くありません。
-そうなんですね。そうなるとどういった点が評価されているのでしょうか?
小林:50代60代の薬剤師さんの評価ポイントは、「仕事を辞める可能性が少ない」という点です。これは、一般の社会でも問題となっている女性のM字就労問題が原因にあると考えられます。 20代前半から中盤まではよく働き、そこから結婚出産等の影響があって30代で仕事が一回ピークアウトする。その後40代50代のお子さんが手を離れるタイミングになってまた就労に対する意欲が増えてくるという動向です。 薬剤師さんは、一般の職種と比べると女性が多いのでより一層その傾向が強く出ています。
-なるほど、薬剤師さんの6割強が女性ですもんね。
小林:そうですね。また、ホワイトカラーと比べると、薬剤師は資格職であるため、一度退職してしまっても正社員として復帰しやすいため、薬剤師さん自体が退職を選んでしまっていることもあるようです。
どうしてもご家庭を優先せざるをえない女性薬剤師さんが多い中で、お子さんがある程度自立されていたりする傾向が高い40代後半から60代の薬剤師さんは、相対的に仕事に割ける時間が安定し、働ける時間も長くなります。
-たしかにそうですね。
小林:実際に妊娠出産、子育て、転勤等で大事な戦力がかけてしまって困ったという調剤薬局の経営者さんはとても多いので、退職リスクが低い年齢というのは、雇う側としてはプラスのポイントになるのではないかと考えられます。
-女性の比率が高い職種なゆえに40代後半から60代の年代の薬剤師さんも重宝されるわけですね。
小林:そうですね、女性比率が高い業界の特性だと思います。次に、退職のリスクが低いのが、20代なんですが薬剤師は6年制になったため20代の期間が短く、正味2年ほどしかありません。
そう考えると6年制になったことで、より、40代後半から60代のご家庭が事情に左右されない薬剤師さんの需要が高まった と考えられます。
-確かにそうですね。6年制だと20代がほんとに2、3年くらいですからね。
薬学部が6年制になったことによる影響を感じることはありますか?
小林:目の前にある仕事を愚直に頑張る、仕事に集中するというのは20代の特権だと思うのですが、その期間が短くなってしまったと感じる方が増えたのではないかと思います。
ストレートで社会に出た方で24歳から新卒で働かれて5年経験を積むと29歳になりますよね。5年働いたとしても、薬剤師としてはまだまだ。でも気づけば、結婚等、人生におけるターニングポイントが待っているというわけです。
男性薬剤師の転職に有利なことは?
-確かにそうですね。そう考えると、女性薬剤師さんよりも男性薬剤師さんの方が少ないこともあり、男性薬剤師さんが転職に有利なこともあるのではないかと思うのですが、実際のところはどうなのでしょうか?
小林:ケースバイケースではありますが、有利になることもあります。女性だとライフイベントのタイミングによっては、どうしても働き方に制約が出てしまうケースが多くあります。そしてその制約というのは、程度の差はあってもほとんど皆さん同じです。お子様のお迎えで早く帰る必要がある、お子様の急な体調不良によりお休みする必要がある等です。
-たしかに、皆さん同じ制約の中で働いていらっしゃいますよね。もちろん、しかたないことですが。
ヤクジョブインタビュー 小林:一方で、男性の場合は時間的制約がある方は女性よりも少ない傾向ですので、非常に重宝されています。また、ご家庭の大黒柱を担っている方も多いので、通勤面等でも許容範囲が広いことはプラスに働いています。
また、薬局でキャリアアップしようと思った際に、ある程度の役職になったときに管理薬剤師等、薬局事業を管理する立場となります。そんな時に、時間的制約がない方がマネジメントに適している場合も多いので、自然と男性薬剤師が役職に就くことが多くなります。もちろん、女性の方でもそういう方はいらっしゃいますが、数としてみると男性の方が多いです。
コミュニケーション面でみると、患者さんにとってはやはり女性の方が親しみやすい傾向があるそうですが、採用側としては組織としてのバランスを考慮し、ある程度は男性を入れたいというニーズがあるそうです。
女性薬剤師が優遇されやすい職場、転職回数
-反対に、女性が優遇されやすい職場はありますか?
小林:しいて言えば、婦人科や小児科ですね。特に小児科の場合は、女性の方が受け入れられやすいという傾向はあります。
-なるほど。自身の悩みと重なる部分もあるため、共感をしてくれることが多そうですもんね。
これまでのお話から、女性が多い業界ゆえに、全体的に転職回数が多くなる傾向であることは理解できたのですが、一般的には、いくら理由があったとしても転職経験が多いと「すぐ辞めちゃうんじゃないかな」と思われてしまう傾向です。
薬剤師さんの転職市場でも同じでしょうか?
小林:転職回数が極端に多い場合は採用を躊躇されてしまいます。会社によっては、3~4回の転職回数でも、懸念事項と認識する場合もありますが、卒業してからのご年齢に対して一年に一回以上の転職となると採用は難しいとする会社が大半を占めます。
-1年に1回以上は相当ですね…
小林:そうですね。一方で、例えば50歳の方で計10回転職経験のある方でも、きちんとした理由があれば特に心配することはないです。 また、雇う側である薬局側にその方を採用するメリットが多くあれば、採用が不利になることもありません。
さきほども申し上げましたが、薬剤師業界は女性が多い業界です。中にはご主人が転勤族の方やお子さまが4人いらっしゃる方もおります。そういった場合は、他の方よりもライフイベントが多くなりますので、たとえ7回転職していたとしても採用が不利になることはありません。
-ご家庭の事情といったどうしようもない影響は考慮されるわけですね。
小林:そうですね。2~3年に一回くらい転職してしまっている50代60代の方でもご紹介できる求人がないということはほとんどないですね。
       
長いブランクは再就職が難しい?
-似たような質問になりますが、一般的には、長いブランクがある方というのは、なかなか転職や再就職が難しいというイメージがあります。その辺はいかがでしょうか?
小林:ブランクが長い場合に、ブランク明けのご年齢にもよるので一概には言えないのですが、例えばブランクが20年ある50代の方だとしても、問題なくご紹介できます。大切なのは現状、きちんと働ける状況にあるかどうかですね。
ブランクに至った問題が整理されておらず、働く条件に様々な制限がある場合はご紹介できる職場が限られてしまう可能性があります。
-確かに、それだとなかなか働いてもらうのも大変なイメージですね。
小林:最近、PC操作や端末の操作がネックになり採用が進まない方が多くいらっしゃいます。
そのため、ご家庭に入られていたりしてブランクが長い方は、日ごろからパソコンや携帯の電子機器を積極的にご自宅で使っていただくことをオススメします。現在は電子薬歴の職場が増えており、以前よりもパソコンを使用する機会が圧倒的に多くなりました。
実務面で長いブランクがあったとしても、パソコンやスマートフォンを使用していると言われれば、 雇用側としては「端末や調剤機器の操作実務面は問題ないだろう。あとは働きながら薬剤師としての勘を取り戻してもらえればいいという気持ちになり、採用が進むことが多くあります。
-今はほぼパソコンを使わない仕事はないですもんね。
小林:そうですね。「パソコンは全く触れない」、「20年前でパソコンは無かったので一回も触ってません」というような方の場合だと、「なにから教えていけばいいのか困る」といった事態になりますよね。 採用担当者側の不安を減らすためにも、例えばインターネットで何か調べるにもパソコンを使っていただくとか、メールを送るにもパソコンをあえて使っていただく等、少しのことでも良いのでトライしてほしいと思います。
-全く機械に触れていない人は少しずつ慣らしていった方がいいですね!
さて、PC操作というお話を聞いたので、最近のトレンドについてもおうかがいしたいと思います。最近はどういう働き方が人気なのでしょうか?
japanmap

おすすめコンテンツ