こんにちはーアンズさん!
また転職のお話を伺いにきましたー!!
いらっしゃい、カオリさん。
まー今日の服、とってもかわいいわー。
……あ、これ。
お気に入りなんですが、仕事のある日は着る機会が少なくて。
わかるわかる。
わかってくれます!?
おしゃれ大好き。
お友だちにネイリストをやってる人がいるから、ネイルをオーダーしたりするの。
でも、カラフルなネイルって、職場へはしていきにくいんじゃ?
ええ。だから、本物の爪には塗らない。
本物に見せかけたつけ爪を作ってもらうのよ。
はぁー、そんな大人の女性ならではのおしゃれテクがあったんですね。
もともとつけ爪だから、どんなに厚くデコっても、取りはずしは簡単。
休日にたっぷりおしゃれを楽しんだら、翌日の職場へは外していけるってわけ。
便利ですね、つけ爪。
なんだかわたしもしてみたくなってきました。
カオリさんも試してみたらきっと似合うわよ。
転職したいと思っても、仕事があるとなかなか動きだせません。
あら、そう?
お昼休みや帰宅後、スキマ時間にできることだっていろいろあるじゃない。
うぅーん、アンズさんはそうかもしれませんけど……。
わたしなんかだと、そもそも、転職活動の始め方じたいがわからないんですよね。
あらあら。それならカオリさんに聞いてみようかしら。
薬剤師が転職しようと考えたとき、いちばん最初にすることは何?
え、えぇっ!?
転職先を見つける、じゃないんですか?
うふふ。転職先を見つけたいなら、その前にもすることがあるじゃない。
見つける前に!? なんなんですかアンズさん。
まず、なるべく多くの薬剤師の求人情報を集める必要がある。
そっかぁ。
求人情報をたくさん見ないと、希望にぴったりの求人先は見つかりませんもんね。
では、それをするためにしないとならないことは何でしょう。
えーとぉ、転職のための求人情報を見るんだから――
薬剤師転職サイトに登録をする、かな?
ぴんぽん! 大正解よカオリさん。
いちばん最初にすることと言ったのはそのこと。
そうだったんですね。
実は、薬剤師転職サイト以外にも、薬剤師の求人情報を見られる場所はあるわ。
新聞広告や折込チラシ、それに無料配布の求人情報誌なんかがありますもんね。
ええ。ほかにハローワークや転職フェアを活用する手もあるでしょう。
あ、そんなにあるんだ……。
でも、なんといっても“もちはもち屋”。
薬剤師の転職には薬剤師転職サイトをお勧めする理由があるの。
わぁ。それっていったいなんなんですか、アンズさん!
第一に、薬剤師転職サイトは、在職中から転職の準備を始める場合にとっても便利!
あ……! ウェブサイトならパソコンやスマホでどこからでも見られるってわけですね!
そう。情報を見るために、どこかへ足を運んだり、出かけたりする必要がない。
働きながら転職の準備を進める薬剤師にとって、この利点は大きいわよね。
はい。あっ、スキマ時間にできることってこれだったのかぁ。
それに、特に大手や有名どころの薬剤師転職サイトでは、全国から集まる膨大な量の求人情報が見られて、サイトの更新頻度も高い。
そうかぁ……薬剤師の転職では「薬剤師としての転職先」を探すというだけで、見つかる求人先が限られる部分がありますもんね。
うんうん、求人媒体を選ぶときに、求人情報の掲載量が多いことは重要ポイントです!
便利な点はほかにもある。
薬剤師転職サイトなら、勤務地や休日といった希望条件による求人先の検索も手間いらず。
少し特殊な条件でもフリーワード検索で当てはまる求人先を探せるわ。
わぁすてき、夢の国にあるおしゃべりネズミ専門の薬局も見つかりますか!?
……それは見つかるかわからないけれど……。
とにかく多様な条件で検索が可能ということ。
ウェブならでは、ですね。
もう一ついいところは、転職者が各サイトの得意分野、つまりアドバンテージを利用できることなの。
へえー。
ここは後で薬剤師転職サイトの種類の説明といっしょに詳しく話すわね。
はい。
ここまでで、薬剤師転職サイトには〈ウェブならではの利点〉と〈各サイトのアドバンテージ〉というメリットがあることがわかりました。
でも単に求人情報を検索するだけなら、一般の転職サイトでも可能ですよね?
あら、気づいちゃったのね。
なんとなく……ハローワークやリクナビもあったなと。
では順序として主な転職サイトのことから説明します。
転職に使える求人検索サイトにはまず「ハローワークインターネットサービス」という厚生労働省のサイトがある。ほかに「しごと情報ネット」という同じく厚生労働省所管のサイトもあったのだけれど、こちらは2016年3月で閉鎖され、いまはハローワークに一本化されている。
あと、民間のサイトもありますよね。
そちらには「リクナビNEXT」「マイナビ転職」といった転職ポータルサイトがあるわ。
求人数の掲載量でいったら多いのはそういうところですよね。
薬剤師の求人も一般の転職サイトでさがしたらいけないんですか?
待って、それは早計よ。
一般の転職サイトは、薬剤師転職サイトと違って、薬剤師の国家資格保持者の求人情報に特化してはいないわ。
そっか。薬剤師以外の人の転職活動にはいいですが、でも――
薬剤師が登録するなら「薬剤師」という条件付の求人だけを扱っているサイトのほうがいい。
むむむ。ハローワークだけで転職活動をしようと思ったら、薬剤師への特別な支援はなしですか?
ハローワークに足を運ぶことでキャリアカウンセラーに相談することはできる。
でも、薬剤師転職サイトのキャリアコンサルタントと違って薬剤師転職の専門家というわけではないの。
薬剤師のためのきめ細かなアドバイスを受けることまではできないんじゃないかしら。
薬剤師と転職、両方に詳しいアドバイザーに出会うのは、偶然頼みじゃ無理ですよねー。
ちなみに職業紹介および人材紹介の場で転職支援にあたる事業主を指して「転職エージェント」といったりするわ。でも、実際にサポートに当たる担当者の呼称には、転職サイトによって多少の違いがある。
「キャリアコンサルタント」「キャリアアドバイザー」「キャリアカウンセラー」といったものですね。
民間の場合、有名な転職サイトの多くは紙媒体の新聞や求人情報誌を出発点にしている。
かつてはもともとあったメディアのほうが認知度が高かったので、ウェブサイトはあくまで第二の手段というイメージが強かったの。ただ、最近は転職サイトが充分メインの情報発信の場に成長したので、運営元も広告出版から複数メディアを利用した転職支援そのものに軸足を移しつつある。
「転職エージェント」としての性格がいっそう強まってきたというところかしら。
求人情報を見せてくれるだけじゃなくて、転職支援まで任せられる頼もしい存在になってきたわけですか。
ただ、専門サイトでない以上、薬剤師専門のキャリアコンサルタントに担当してもらうことができないのは、ハローワークと同じでしょう。
薬剤師の求人と転職支援に強いのは、やはり専門サイトなんですね。
だから、繰り返し言うけど、薬剤師なら薬剤師転職サイトの利用がだんぜんお勧め!
わかりました。
こんどは薬剤師転職サイトの種類について教えてもらえますか?
まず、薬剤師専門の求人サイト。
これらには大きく分けて、薬剤師専門求人情報サイト型、薬剤師人材派遣紹介サイト型というべき二種類があります。
前者の代表的なものに「リクナビ薬剤師」「マイナビ薬剤師」、後者の代表的なものに「ファルマスタッフ」など。
種類……!
では、薬剤師が登録の際に注目したらいいのはどの違いですか?
薬剤師専門求人情報サイト型は、求人中の薬局などがサイト運営元に掲載を依頼した求人情報を、求職中の薬剤師が見てエントリーする形式になってる。
それに対して、薬剤師人材派遣紹介サイト型は、サイトに人材として登録した薬剤師を、薬剤師が希望した求人先に担当者が紹介する形式になっているの。
ふぅーん、薬剤師の求人情報のやりとりされる方向が違うって感じでしょうか。
そうとも言えるわね。
薬局から薬剤師へ、なのか、薬剤師から薬局へ、なのか。
どっちの種類が自分に合ってるか、まで考えたほうがいいのかなぁ。
いいえ。ここは形式上の違いだから、そこまで気にする必要はないわ。
どのサイトも求人情報の紹介、薬剤師と求人先の仲介、キャリアコンサルタントによる転職支援を行っていることは変わりない。
ほっ、よかった。
ただ転職後の雇用形態の希望が「派遣」「紹介予定派遣」の場合は、人材派遣紹介サイト型に登録したほうがそちらに強いといえるでしょう。
直接雇用と派遣のどちらを希望するかは、事前に決めたうえで転職サイト選びをすることをお勧めするわ。
ほかに薬剤師専門の求人サイト選びの際に、注目すべきサイトの特徴はありますか?
えぇーと……そうね。
たくさんあるけれど、ここでは大事な4つだけを挙げましょう。
一つめに、薬剤師さんにとって気になるのは求人情報の掲載数よね。
ああ、よくトップページに「求人件数○万○千件!」と書いてある……
やはり求人情報の掲載数は大事な確認ポイントでしょう。
サイトごとの掲載数を調べてみるのも一つの判断材料。
たくさん見られるサイトのほうがいいですもん。
でも、気を付けたいことは、その求人件数の中には非公開求人も含まれている。
非公開求人? それってなんですか?
転職サイトや求人先の都合から、薬局名や病院名を伏せてネット掲載していたり、そもそもネット公開されていなかったりする求人のこと。
えぇ!? それじゃ転職したい薬剤師さんがいても応募できないってことですか?
いえいえ。
非公開求人は、キャリアコンサルタントが登録済みの転職者と連絡をとる中で、転職者の希望や個性に応じて求人情報の詳細を伝える形をとるの。
登録後に希望を伝えればちゃんと求人先の名称、業務内容などを教えてくれるから心配しないで。
「非公開求人多数」などと謳っている場合は、より転職者とキャリアコンサルタントとのやりとりに重きを置いているサイトだとも考えられるわね。
はい。それから、求人の数だけでなく内容も気になります。
そこで二つめ。転職サイトの特徴。
やはり、大手の有名な薬剤師転職サイトは、保険薬局、ドラッグストア、病院など種類豊富な求人先を掲載しており、また正社員、パート・アルバイトといった多様な雇用形態を網羅している。
さっき名前の挙がった「リクナビ薬剤師」「マイナビ薬剤師」「ファルマスタッフ」などですね。
一方、それほどの大手ではなくても、個性に応じた強みを生かした求人情報を紹介しているサイトもたくさんあるわ。
首都圏に強いことを謳っていたり、調剤薬局のグループ会社が手がけていたり、北海道など地方の求人に特化していたり。中にはワーキングマザー専門、男性薬剤師専門の求人サイトなんてものもある。
うわぁそれなら……自分に合う転職サイトも見つかるような気がしてきました!
またサイトによって病院系の求人が中心か、薬局・ドラッグストア系の求人が中心か、多少ウエイトの違いがあるみたい。
また、非公開求人には高待遇・好条件の求人が多いというから、たくさん抱えている転職サイトほどレベルの高い求人情報を秘めていることが予想される。
そういうこともあって、薬剤師の転職活動では、一つ以上の大手を含めて複数の薬剤師転職サイトに登録したうえで求人情報を集める人が多いようよ。
はい!
それで、最後は何ですか? わくわく。
三つめは、転職エージェントとしての頼りがい。
あぁ……。
転職成功まできちんと面倒をみてくれそうな登録先かどうかって心配ですものね。
転職活動の流れに沿ってキャリアコンサルタントがしてくれるサポートの内容が自分に合いそうか、登録前にサイトで確認しておくといいでしょう。転職者との連絡方法、求人先と転職者の仲介の方法、など。
はーい。これでぜんぶですか?
そうね……。
あ、まだほかにも薬剤師転職サイトへの登録にあたって注意してほしい点があった!
あ、わたしも注意しなきゃと思ってたんです!
コメント欄には絵文字いっぱい使わないと目立ちませんよね!
あ、あのね、カオリさん、そういうことじゃなくて。
えぇー……?
薬剤師転職サイトは、ほとんどの場合、登録することで求人情報が見られるようになるの。
それって普通のことだと思うんですけど、何に注意すべきなんですか?
登録の際には、名前や住所といった個人情報の提供が必須になる。
それに転職フェアなどを除きほとんどの場合、ネット上の予備知識のみで転職サイトへの登録を決定することになる。
だから、事業主に提供した個人情報を適切に扱ってもらえるかどうかはよく見きわめて。
ここは登録しようとしているサイトや運営元の信頼性につながってくる点とも言えるわね。
そ、そっかぁ。でもアンズさん、信頼性って言われても……。
一般に大手や有名どころは情報セキュリティ対策もしっかりしていると考えていいでしょう。
また念のため確かめたいときはサイトの「プライバシーマーク」「SSLマーク」表示などが手がかりになる。あと、人材派遣紹介業もしているところなら厚生労働省の許可番号が表示されているか、など。
はい、わかりました。
えぇと、いったん、ここまでのポイントを整理してみます!
これで薬剤師転職サイト選びはばっちりですね!
でも、いちばんは転職する人自身が、自分の状況に応じて、合ったサイトを選ぶことなの。
え? で、でもぉ。
アンズさんに聞く以外にどうしたらいいかなんてわかりません……。
転職サイト以外の薬剤師情報サイトや薬剤師専門誌もあるのよ。
あ、それなら見たことがあるような。
また、薬剤師転職サイトについて紹介するサイトも数多くある。
薬剤師転職サイト比較、薬剤師転職サイトランキング、薬剤師転職サイト一括検索、薬剤師転職情報解説サイト、などなど。
わわ、そんなにたくさん。
うふふ。上手に使い分けて登録前の情報収集に活用してちょうだい。
ん? パソコンに届いてるこのメール、カオリさんからじゃない。
今日はいったいどういう用事なのかしら。……なになに。
「今日はお休みだったので、わたしも近所のネイルサロンに行ってみました。
アンズさんの真似をして付け爪にしようかと思ったんです。
でも職場には外していかないといけないのがさびしかったので――――
結局、かわいくてしかも職場で目立たない、こんなネイルにしてもらっちゃいました。」
本文に画像が添付されている……。
……えっ!?
カラーストーンの代わりに、爪いっぱいに本物の錠剤が貼り付けてある!!?
「名づけて〈お薬ネイル☆〉です。これよくないですか?
明日はこのまま出勤するので同僚の反応が楽しみです。カオリ」
このまま出勤って……わ、わたしは知―らないっと。