ふむふむ。お薬アプリの使い方に、医療費控除の説明。
アオイ薬局は作ってる刊行物も充実してるなぁ
これも薬局関係のパンフレットかな?
わあ、新薬の情報がたーくさん!
医療系の法人が発行する新薬情報の冊子を定期購読しているの
アンズさん!
毎年こんなにたくさんの薬が承認されているなんて。
咳止め効果のある新薬、商品名ゲホピシャット(※)……効き目ありそー
カオリさんは興味があるかしら。
薬剤師の中にも製薬企業などに勤務し、新薬開発に携わっている薬剤師がいるのよ
わたしたちが薬局で働いている間に、製薬企業などでは昼夜なく新薬開発が行われているんだ
ええ。医師や薬剤師がこれから扱う薬の開発が、ね。
2016年には薬剤師全体の10.0%が医薬品製造業・販売業の企業で働いており、1.5%が大学で研究職・教育職に就いていた。新薬開発の現場を担う薬剤師はこういった人たち
新薬の開発には通常9~16年もの時間がかかると聞いています。
新承認薬の数は、開発に携わったたくさんの人員、かかった期間や費用のことまで、意味しているんですね
新薬の研究開発から承認までの間には数多くのプロセスがある。
基礎研究、試験、治験、承認申請、審査と、通過すべき何段階ものプロセスを踏んだうえで、新薬を世に出すためにはもちろん多くの時間と人員が必要とされる
新薬だからこそ、人体への影響は、慎重に見きわめられなければならない。
どの新薬も、医療現場で実際に使われるようになる前に、いくつもの安全確認のための過程を経てきているんだ
2017年度に承認された新薬の数は104品目。
長期的には、ここ10年近く、年度ごとに100を超す数の新薬が承認される傾向が続いている
毎年そんなに……
新薬には、史上初めて病気治療に使われる有効成分が含有されたものもあるわ。
新成分が利用された新薬は、それまで有効な治療手段のなかった難病や希少な病気に対して重要な治療の方法になることも
自分のかかった病気が、もし難病や症例の少ない病気だったら、まだその病気を治すための薬が開発されていないということもありうる。
有効成分の使われた新薬などが登場するまで待たないといけないのね
かりに有効成分が発見されていたとしても、その成分を含んだ薬がまだ開発途中であったり、未承認薬であったりすることもある
患者さんやご家族のためには、早い実用化が望まれます
新薬の早期実用化を可能にするしくみの整備は、医薬品市場における日本企業の国際競争力アップにもつながる重要な課題。承認・審査にかかる期間を短縮することで、新薬や新開発の医療機器をよりすばやく国際市場へ送り出そうとする動きも出てきているわ
へえ、それはどんなものなんですか?
2014年に厚生労働省が発表した「先駆け審査指定制度」。
日本が諸外国に先んじて研究開発し承認申請を行っていること、治験の段階で顕著な有効性を示すデータが取れていること。
こうした基準のどれかに合った承認申請中の新薬について、事前評価をよりしっかりと行うことで、通常12か月かかる承認審査期間を6か月に短縮することができるという制度なの
一日も早い実用化にたくさんの人が期待をかける新薬という存在。
こうした制度がじょうずに活用されることで、医療現場で有効な治療法の選択肢が増えることにつながるといいですね
医療の安全性に何より重きを置くべき医療界でも、慎重に安全性を見きわめつつ、患者さんやご家族の利便性を図っていこうとする工夫はなされているのよね
はい。新制度の話などを聞くと医療界の努力がわかります。
患者さんに寄り添った姿勢で向き合うことの大切さは、薬剤師にも通じることだと思います
日常の調剤業務の中で薬剤師自身が患者さんやご家族の声に耳を傾けることは、そのうえで大事だと言えるでしょう。
また一つには、医療界全体にかかわる年次の診療報酬改定、もしくは新制度の登場などに、患者さん側の要望の声がどのように反映されているかに注意することが大事
このごろの医療界でとくに患者さんたちの利便性を図った動きというものはあるんでしょうか?
薬剤師転職で、転職先を考える手がかりにぜひ聞きたいです!
ここ数年の薬局業界で特徴的な動向の一つに、「在宅医療への対応の進化」が挙げられるわ。
転職しようとしている先によっては、面接で「在宅医療にかかわる知識や経験」を訊ねられることがある可能性もあるし、今回のアドバイスは「在宅医療」についてお話しすることにしましょうか
まずは在宅医療の基本から聞かせてください
患者が自宅で療養することを指して「在宅療養」といいます。
在宅療養の患者に対応するための医療全般が「在宅医療」といわれるもの
自宅で療養を続けるなかで通院もしている人とは当然かかわることもあるわけですが……。通院が難しく、薬局にも来られないという人と、薬剤師の接点はどこにあるんですか?
薬局によっては通院困難な患者の家に薬剤師が出向く在宅訪問を行っているところがあります
薬剤師にも会社員のような、外出の機会があるだなんて、意外
ふふふ。薬局の中で持ち込まれる処方せんを待っているだけ、という薬剤師のイメージはもはやかつてのものなのかもしれないわ
でも、思い返すと、医師による往診というものは、ずっと前から行われていました。
医療従事者が患者宅を訪れることはこれまでにもあったわけですが……
医療界の動向を見ると、「在宅療養支援診療所」、「在宅療養支援病院」が、それぞれ2006年度と2008年度の診療報酬改定により創設されている。
全国の設置総数は、「在宅療養支援診療所」が14,683施設、「在宅療養支援病院」が1,111施設となっており、これはそれぞれ診療所、病院の総数の約14%、約13%となっているのよ
(※設置総数はともに2016年3月31日時点)
訪問業務の広がりによって、より患者さんの多様なニーズに合わせた対応ができるようになるのは、いいことですね
本来の薬局における業務は続けつつ、さらに訪問業務へのニーズにも応えなくてはならない。
薬剤師にとっては求められることが増えて、今まで以上に柔軟に新たな知識を吸収しなくてはならない状況になっていると言える
薬局の開局時間や薬剤師の人数にはかぎりがありますが、在宅訪問へのニーズの広がりには、どこまで対応できるのでしょうか?
そうね。さっきも話に出た、「在宅療養支援病院」、「在宅療養支援診療所」の数をもとに推測すると、在宅療養をしている患者さんの概数が約10万人(※)。
(※2016年の二施設の総数に、一施設あたりの在宅患者数をそれぞれ〈割合の多い病床規模のおおよそ3分の1にあたる〉25人〈病院〉、5人〈診療所〉だと仮定して掛け合わせた数)
これに、介護施設へ訪問するケースも合わせると、さらに訪問対象の患者さんの数は増えるのでは
介護施設でいうと、介護老人福祉施設7,705施設、介護老人保健施設4,241施設の、定員数が合計で900,646人(ともに2016年10月1日現在の数)。
在宅患者10万人、介護施設の入居者90万人。
この合わせて100万人という人たちが、薬剤師訪問サービスの対象になりうるのかぁ
一方、薬局薬剤師の総数は、172,142人(2016年12月31日現在)。
これらのデータをもとにすると、薬局薬剤師一人あたりの訪問受け入れ数(最大)は、在宅患者が約0.59人、介護施設入居者が約5.23人になると推定される。
薬剤師の訪問に対する潜在ニーズの大きさが、こうした数字からも見えてくると思うわ
薬局を出て、地域を相手に働きだす日は、どの薬剤師にとっても遠い先のことではないのですね
薬あるところに薬剤師あり、と、悩む患者さんの前に颯爽と現れる薬剤師。
そんな時代もすぐ目の前だったりして
ま、まさにスーパーウーマン? いやむしろスーパーヒーロー?
薬剤師アンズならありうるかもしれない……
ところで、病院・診療所ともに、すでに全体の1割以上の施設が、「在宅医療」への対応に向けた体制を整えていることが確かめられたわね。
病院と診療所がこのように在宅医療への対応を進めるなか、薬局にも在宅医療をめぐる動きが出てきている
調剤薬局では、現在全体の何割くらいが、在宅医療に対応しているのでしょうか?
わたしの調べでは、調剤薬局チェーン大手20チェーンでは、現在20社すべてが薬剤師による在宅訪問に対応していることがわかっているわ。
調査対象20社の合計店舗数は6,286店舗(※2016年6月時点)、これは全国の薬局数58,326店舗(※2016年3月時点)のおよそ10.8%に当たる数。
ただし、在宅対応のできる設備、訪問経験のある薬剤師などの設置や配置の状況は、各チェーンとも店舗によって異なるため、20チェーンのすべての店舗で訪問サービスが実施されているというわけではないの
調剤薬局チェーンの主なところでは、すでに全チェーンが薬剤師による訪問を実施し、さらなる対応を進めている……!
これは転職を考えている薬局薬剤師にとっても覚えておいたほうがいい情報だという気がします
このうち、特徴的な取り組みを行っていたチェーンの例としては、高齢化率の高い市にモデル店舗を設置したうえ在宅医療への対応を進めていたケース、誤嚥対策のスキルに関する認定薬剤師の社内認定制度を整備していたケース、在宅医療特化型店舗を首都圏に設置していたケースなどがありました
薬剤師のほうでも、在宅訪問の経験に関する自己PRの用意が必要になりそうですね
転職を考えている先が在宅医療を重視していることが、あらかじめわかっているなら、薬剤師として在宅医療に取り組んだ実績を前もってまとめておくとよいでしょう。
面接の際、エントリー先の求める人材に合ったキャリアの持ち主であることを効果的にアピールできるはず
どのような経験やスキルが、実績としてアピールするのにいいでしょうか?
では、次は「転職面接できっと役立つ、薬局薬剤師の在宅医療に関する経験とスキル」についてお話ししましょう
薬剤師が在宅医療にかかわる実績として、転職活動で面接先に伝えられる経験・スキルには次のようなものがあると考えられます
は~い。
今までの業務経験に、このうちのどれかがあったか思い出してみようっと
では振り返りの助けになるよう、一つずつについてもう少し補足説明をするわね。
まず「在宅患者への訪問調剤、訪問服薬指導」。
薬局が行っている薬剤師による在宅訪問業務で、基本的な活動になるのが、これらよ。
処方せんにある薬を薬局でそろえ(調剤)、薬剤師が個人宅もしくは施設まで運んだうえで患者に渡し(配薬)、薬を飲むスケジュール・服用時の注意点などについて必要なことを説明(服薬指導)。薬局に戻るというのが一般的なながれとなっているわ。在宅訪問の経験がある場合、積極的に面接でアピールを。受け入れ患者数とともに伝えるとより効果的!
薬剤師が患者さんの服薬状況を直接見ることで、よりきめこまかな服薬指導を行うことができるようになりそうですね
次に「医師・看護師・介護士らとの連携による在宅患者への対応」。
これまで薬剤師としての勤務のなかで、長期にわたり、病院・診療所・訪問看護ステーション・介護(ケア)ステーションの職員などと連携を取りながら、個人宅もしくは施設で療養中の在宅患者への対応にあたった経験があれば、実績としてアピールできるでしょう。
在宅患者の計画医療において、薬剤師としてチーム医療のなかで果たした役割を、面接のときことばで伝えられるようにしておくと、たいへん効果的だと思います
わたしは長期で在宅患者さんを担当した経験がないんですが、そういうときは面接でどうしたらいいですか?
経験がないのなら、面接で質問が出ないかぎり、無理に伝えなくていいと思うわ。
必ずしも長期的にではなくとも、在宅患者の服薬に関する何らかの問い合わせ対応、支援、助言などをしたことがあるのなら、薬剤師として自分がした工夫・気をつけた点などとともに、エピソードを話してもいいんじゃないかしら
3つめは、「病気治療における高度先進医療分野での活躍」。
薬局薬剤師にもこうした機会はあるんでしょうか?病院薬剤師ならありそうですが
通院困難による在宅療養中の患者さんには、生活習慣病・難病・希少病などで療養している人もいるでしょう。
そうした患者さんへの対応経験は実績といえるはずよ。
とくに生活習慣病・難病等の治療において対応経験の豊富な薬の種類、病気・症例、または無菌調剤室・クリーンベンチでの注射液・輸液等の製剤に関する経験やスキルがあれば、それらについても伝えると、在宅医療に強い薬剤師だとアピールする一助になるでしょう
4つめである「在宅患者に対する生活支援」はどのようなことを指すのですか?
在宅患者さんの中には、さまざまな原因により、薬の服用に関する悩みを抱えた人がいます。訪問服薬指導と併せて、そうした患者さんに薬に関連する生活支援を行うことで、服薬状況の改善を促すことも、在宅訪問でできることの一つです
薬剤師による生活支援だから……いざ飲むときのありかがわからなくならないように、薬の置き場所をアドバイスしてあげたり、ですか?
勤務先の定める薬剤師訪問サービスの内容によっても、できることは変わってくると思われるわ。
たとえば、認知症などで飲み忘れが多い患者さんのための服薬スケジュール管理の支援、もらっている薬をうまく飲み込むことができない患者さんのための薬の変形といったことが生活支援の代表例となるものよ
そういえば、お薬グッズには、お薬カレンダー、お薬ケースといったものがありました。
薬剤師から上手に利用を進めてあげると飲み忘れ対策がしやすくなりそうです
ほかには、体温測定・血圧測定といったバイタルチェックも薬剤師が患者に対して行える生活支援の一つ。
在宅患者に対する生活支援の内容には、患者の状況に応じてさまざまなケースがあると思われる。
今までの業務経験から適切なものを実績としてアピールするようにしましょう
最後は……「地域医療への貢献」ですか。
わたしにはそういう仕事の経験はあったかなぁ……
貢献といっても、特別に目立つようなことではなく、通常の薬局勤務における業務を通じて、地域医療になんらかの役割を果たしたことが伝えられれば、転職面接でのアピールとしては充分よ。
在宅医療において重要となる、地域の医療従事者どうしの連携を中心としたチーム医療の一員として働いた経験がある場合は、面接で伝えるとより訴える自己PRになるでしょう。
もちろん、お薬のイベント・セミナーを通じて、直接に地域住民と交流したことがあるなら、そのことも在宅医療に関する自分の強みと関連づけて伝えるといいですね
はい、薬局業務を通じて、地域の医療従事者の方と連携を取った経験を見直してみます
高齢者介護における「地域包括ケアシステム」に対する何らかの寄与も、在宅医療に役立つ経験として歓迎される条件だと思うわ。
2018年度診療報酬改定では、従来の「基準調剤加算」が廃止され、新たに「地域支援体制加算」が設けられている。
この点数は、地域包括ケアシステムを構成する一員としての薬局が地域医療に貢献していることを評価するもの。
このように、介護に果たす薬局の役割への期待が高まってきている今、薬剤師としての介護における経験も、転職活動でのアピールポイントとして認められやすいものになってきているといえるでしょう
転職先に伝わりやすい実績を、有効にアピールすることが、よい転職への近道ですね
うちの薬局によく来るお客さんにいつも言われるんですよ。
「もっと歳をとって仕事をリタイアしたら、どこか風光明媚で暖かいところの介護施設に入って、のんびりと第二の人生を送るつもりなんだ。
そうなったら楠木さん、遊びがてら見舞いに来てくださいよ」って
へー、夢の老後生活ね。カオリさんはなんてお返事してるの?
「わたし、テーマパークめぐりが趣味なので、もし近くにおもしろいテーマパークがあったら教えてください。行くかもしれません!」とお答えしてます
あらあら。
その患者さんの居場所が、遠く離れた地でも、はるばる訪ねていくつもりなのかしら。
まぁ、絶景とテーマパークがめあてのプライベートな旅行のついでとしてなら、いいかもしれないけれどね
患者さんは自分の居住地が変わっても、なじみのある医療従事者に対応を頼みたいと思うのが人情だと思うんです。
ほかの薬剤師や、医師、看護師は、こういうことを頼まれたとき、どうしているんだろう?
カオリさんは覚えていない?
医師の「往診料」の場合、規定により保険の適用される範囲には制限があったでしょう。これは医師の「在宅患者訪問診療料」についても同様よ
はっ……お医者さんは全国どこへでも往診へ行けるわけではないんでしたっけ
通称「16㎞ルール」といわれるこの規定は、往診料を算定できる訪問先の範囲を、医師のいる医療機関から16㎞以内と定めている。
16㎞を超える距離の訪問先への往診は、行うのがその医療機関でなくてはならない絶対的な理由がある場合にのみ、保険診療として認められることになっています
ほかのお医者さんに変わるのが不安だから、という理由だけでは、転居先などに元のかかりつけ医師などを呼ぶわけにいかないってことですか
とくに絶対的な理由がなく、患者さんの希望に応じて16㎞を超える範囲での往診を行った場合、往診料には保険が効かず、患者負担になってしまうのよ
では、薬剤師や看護師の訪問も、理由や距離によっては特別サービスになってしまう……?
その点は、患者さんの状況、訪問サービスの内容、事業所ごとの方針によって、判断に差が出てくる部分があるでしょう。
ただし、ほとんどの場合、訪問看護ステーション、もしくは薬局の事業所ごとに訪問可能な担当エリアを定めています
ふむふむ。
調剤については「処方せんは全国どこの薬局のものでも受け付けています」と掲げている薬局が多いですが、薬剤師訪問サービスのほうは、薬局がどの地域にあるかによって訪問エリアが決められているんですね
だから、もしもまた、遠くに転居予定のある患者さんから、転居後のことに関して要望を受けることがあるようなら、移る予定の場所を尋ねて、近隣でご要望に合うサービスを行っている別の薬局を紹介してあげるといいかもしれないわ
担当を続けてもらいたい薬剤師を、かかりつけ薬剤師に指名し、転居後も今までの薬局へ薬を取りに来るようにするのも一手、だと思うんです
交通費、移動の手間といった問題を、患者さん側がクリアできるなら、それも手ね
高齢者の方、障害者の方などが、介護従事者のいる環境で生活を送れる介護施設。うちのお客さんのプランのように、リタイア後の入居を考えている人も中にはいらっしゃるのでは
在宅療養の患者を対象にした薬剤師訪問サービスは、個人宅以外でも行われている。入居者に複数の療養患者が含まれる介護施設などが訪問対象になることもある
といっても、介護にあんまり詳しくないので、いったいどんな施設があるのか
では、面接で関連の話題が出たときの準備も兼ねて、介護施設における薬剤師の訪問業務の概要を見ておきま
しょう。
介護サービスの提供のしかたには、大きく分けて、施設サービス、居宅サービス、地域密着型サービスがあります。
このうち、薬剤師訪問サービスの対象になりうるのは、「特別養護老人ホーム」(施設※)、「養護老人ホーム」(居宅)、「グループホーム」(地域密着型)といった介護保険施設のほか、「サービス付き高齢者向け住宅」など。(※定員29人以下のものは地域密着型サービスに位置づけられる。)
それ以外に、居住型の「障害者支援施設」が訪問先になることもあるでしょう
訪問するのが、個人宅ではなく施設であることで、薬剤師の訪問業務の内容は変わるのでしょうか?
訪問の場は施設内に変わりますが、調剤~配薬~服薬指導という基本のながれが大きく変わることはあまりないと思われます
個人宅と異なる点として、施設には介護職員がいるという点がありますよね
たしかに。介護職員または医療スタッフとの事前のやりとりによる患者情報の共有、ケアカンファレンスへの参加による指導方針の検討、訪問現場での必要に応じた連携といった施設訪問特有の業務が発生する可能性はあります
施設訪問に力を入れているエントリー先への面接では、今までの薬剤師業務における医療従事者、介護従事者との連携経験を、自己PRに入れるとよいのではと思いました
地域包括ケアシステムを構成する一員としての自分の方向性なども見定めながら、キャリアをまとめておくと、よりよいアピールになると思うわ
今はすでに、薬局の周囲のできごとまでが、薬局薬剤師の仕事内容に影響を及ぼしている時代なのですね。
アンズさんのお話を聞いて、薬剤師が訪問業務を行うにあたっては、薬局のあるエリアの介護をめぐる環境への理解や配慮も必要だと感じました
転職活動では、チャンスがあれば面接先に質問してみるのもいいんじゃないかしら。
転職先の介護事業との提携・連携状況、勤務を希望する薬局が個人宅や介護施設への訪問事業を行っているかどうかなど。
前もって気になる事項を書き留めておくと、面接における質問の準備として役立つはずよ
今回の転職アドバイスは新薬についての話題からのスタートでした。
新薬の名称といえば、先週こんなことがあったんですよ
へえー、どんなこと?
薬局で働いていたら、来局した人にこう聞かれたんです。
「〇〇〇〇ビルを知っていますか?」って
うんうん
聞いたことのない薬だったので、どこのクリニックから来た患者さんだろうと思って。
「処方せんはお持ちですか?」と尋ねてみたら
「いや、あの、ぼくは薬局のお客じゃなくて。
営業の途中で道に迷っちゃったんで、〇〇〇〇ビルがどこか知りたいんです」って
薬じゃなくて、薬みたいな名前の建物だったのね
てっきり、最近出た新薬の名前かと思っちゃいました。
……とほほ